コラム
テレアポの受付突破率「平均20%」は、そのままでは自社の物差しにならない——実測データと、測り直す手順

テレアポの受付突破率は「平均20%程度、経験が浅ければ5〜10%」と説明されることが多い指標です。5件かけて1件が担当者につながる、という水準です。
ただ、この数字を自社の物差しにすると、たいてい判断を誤ります。受付突破率は分母の定義が統一されていないため、同じ現場の同じ電話でも、数え方を変えると数字が何倍も動くからです。
私たちが支援先の架電データを実際に集計したところ、社数で数えれば26〜41%、架電回数で数えれば5.9〜11.0%でした。どちらも正しい数字で、どちらも同じ「受付突破率」と呼ばれています。
この記事では、公開されている平均値をなぞるのではなく、実測データを開いたうえで、自社の受付突破率をどう測り直せばいいかまで書きます。
この記事でわかること:
「受付突破率の平均20%」という数字が、そのままでは比較に使えない理由
支援先の実測データ:リスト種別・担当者・月で受付突破率がどこまで振れるか
社数ベースと架電回数ベース、2つの分母の使い分け
自社の受付突破率を測り直す4つの手順
- 結論:平均値ではなく、分母を揃えた自社の数字を持つ
- そもそも受付突破率とは何か
- 実測データ:同じ「受付突破率」が、分母で変わる
- 社数ベースで数えた場合:26〜41%
- 架電回数ベースで数えた場合:5.9〜11.0%
- 受付の壁はリスト種別で8倍変わる
- 同じリストでも、人と月で数字は動く
- 自社の受付突破率を測り直す4つの手順
- 1. 分母を1つに決めて、文書に書く
- 2. リスト種別ごとに分けて集計する
- 3. 担当者別・月別の幅を見る
- 4. 3か月続けてから判断する
- よくある質問
- Q. 受付突破率の平均はどれくらいですか
- Q. 受付突破率とアポ率のどちらを先に見るべきですか
- Q. 受付突破率が低いとき、最初に何を疑うべきですか
- Q. 架電回数ベースの数字が低く出るのは問題ですか
- Q. 担当者ごとの差はどこまで許容すべきですか
- 記事のまとめ
結論:平均値ではなく、分母を揃えた自社の数字を持つ
先に結論を書きます。
受付突破率の平均値を他社と比べても、改善の手がかりにはなりません。比べるべきなのは、分母を固定したうえでの、自社のリスト種別ごと・担当者ごと・月ごとの差です。
実測すると、この3つの切り口はいずれも1.3倍から8倍の幅で動きます。平均値ひとつを目標に置くと、この幅が全部見えなくなります。
なぜそう言えるのかを、実際の数字で示します。
そもそも受付突破率とは何か
受付突破率とは、企業へ電話をかけたときに、受付や代表電話の担当者を越えて目的の担当者と会話できた割合です。計算式は単純です。
受付突破率 = 担当者と会話できた数 ÷ 分母
問題はこの「分母」です。実務では少なくとも2種類が使われています。
社数ベース:架電した企業の数を分母に取る。1社に3回かけても分母は1
架電回数ベース:コールした回数を分母に取る。1社に3回かけたら分母は3
同じ活動を数えても、再架電の多い現場ほど架電回数ベースの数字は小さくなります。一般に公開されている「平均20%」がどちらの分母なのかは、多くの場合明示されていません。ここが、平均値を自社に当てはめられない最大の理由です。

どちらが正しいという話ではありません。社数ベースはリストの質を判断するための数字、架電回数ベースは日々の稼働を判断するための数字です。目的が違うので、混ぜて比べた時点で意味を失います。
実測データ:同じ「受付突破率」が、分母で変わる
私たちがインサイドセールス支援を行っているプロジェクトから、2つの支援先の実測値を出します。どちらも社名・業界・商材は伏せています。

社数ベースで数えた場合:26〜41%
支援先Aでは、同じ商材・同じ架電チームが3種類のリストへ並行して架電しました。リストごとに着手時期は異なります。結果を記入した社数を分母に取ると、担当者と会話できた割合はこうなります。
新規リスト(482社):26%
展示会経由の紹介リスト(401社):41%
過去に問い合わせ・資料請求のあったリスト(396社):26%
新規リストでも26%です。「平均20%」という水準と比べれば、悪くない数字に見えます。
架電回数ベースで数えた場合:5.9〜11.0%
一方、支援先Bの稼働記録から、コールした回数を分母に取って月ごとに集計するとこうなります。対象は2026年4月から8月まで、架電11,213件・稼働476時間です。
4月:5.9%
5月:7.3%
6月:11.0%
7月:7.8%
8月:6.2%(月の途中まで)
同じ「担当者と会話できた割合」でありながら、支援先Aの26〜41%とは一桁違う数字になります。支援先Bのほうが劣っているわけではありません。分母に再架電が含まれているぶん、構造的に小さく出るというだけです。
この2つを並べて優劣を論じることはできません。にもかかわらず、公開されている平均値との比較は、まさにこれと同じことをやっています。
受付の壁はリスト種別で8倍変わる
分母を社数ベースに固定したうえで、支援先Aの3リストを見ると、別の事実が見えます。受付で止められた割合です。
新規リスト:57%
展示会経由の紹介リスト:12%
過去に問い合わせ・資料請求のあったリスト:7%
新規リストでは6割近くが受付で止まる一方、一度でも接点のあるリストでは1割前後まで下がります。同じ商材を、同じ架電チームが並行してかけた結果です。
受付突破率が低いとき、最初に疑うべきはトークではなくリストである、というのはここから来ています。話し方の改善で埋められる幅よりも、リスト種別による幅のほうがはるかに大きいためです。
リストを見直したうえで話し方の側を変えるなら、何を変えるかは無形商材のテレアポを情報収集型スクリプトに変えた記事で実例を書いています。
補足として、受付を越えやすいリストがそのままアポにつながるとは限りません。この点は休眠顧客の掘り起こしテレアポの記事で、アポ率まで含めた実測を書いています。
リスト種別だけでなく、企業規模でも受付で止まる割合は動きます。規模帯ごとの実測は企業規模でアポの「落ちる場所」が変わる記事にまとめています。
分母を架電回数で取る場合は、1社あたり何回目の架電かでも数字が変わります。回数別の接触率は再コールは何回まで意味があるかの記事で実測を出しています。
架電する曜日でも、担当者につながる率は動きます。曜日別の実測はテレアポの曜日別の接触率と不在率を実測した記事にまとめています。
同じリストでも、人と月で数字は動く
リストを揃えても、数字は安定しません。支援先Bの同じプロジェクト・同じ期間のデータを担当者別に分けると、こうなります。

担当者A(5,136件):7.8%
担当者B(710件):5.9%
約1.3倍の差です。同じプロジェクト、同じスクリプト、同じ商材で、この幅が出ます。担当者Bは分母が一桁小さいため確度は落ちますが、傾向としては無視できません。
月ごとの振れは、これより大きくなります。先ほどの月次データは最小5.9%・最大11.0%で、約1.9倍の幅がありました。リストもスクリプトも変えていない期間です。
つまり、受付突破率という指標は、リスト・人・時期という3つの要因が重なった結果として出てきます。平均値ひとつを目標に据えると、「今月は目標を下回った」以上のことが何も分からなくなります。
自社の数字がリスト・人・時期のどれで振れているのかを切り分けたい段階でしたら、分母の決め方と集計の単位からご相談ください。
自社の受付突破率を測り直す4つの手順
平均値を追うのをやめて、自社の数字を作るための手順です。
1. 分母を1つに決めて、文書に書く
社数ベースか架電回数ベースかを決めます。リストの良し悪しを判断したいなら社数ベース、日々の稼働量を管理したいなら架電回数ベースです。両方見たい場合は両方取ってよいのですが、必ず別の指標として扱い、目標値も別に置きます。
決めたら、集計の定義を文書に残します。「担当者と会話できた」に何を含めるか(不在時の伝言は含むのか、折り返し依頼は含むのか)まで書いておかないと、数か月後に数字が比較できなくなります。
2. リスト種別ごとに分けて集計する
全社まとめた1つの数字は、ほぼ使い道がありません。最低でも、新規のコールドリストと、何らかの接点があるリストは分けます。先ほどの実測のとおり、受付の壁は8倍変わります。混ぜた平均は、どちらの実態も表しません。
3. 担当者別・月別の幅を見る
平均だけでなく、最小と最大の幅を見ます。幅が大きいなら、そこには改善の余地か、あるいは記録方法のばらつきがあります。特定の担当者だけ数字が高い場合、その人の話し方に理由があるのか、担当しているリストが違うのかを切り分けます。
4. 3か月続けてから判断する
月単位の数字は1.9倍動きます。1か月の数字で施策の良し悪しを判断すると、ほぼ確実に誤ります。スクリプトやリストを変えた効果を見たいなら、変更後に十分な架電量が積み上がるまで待ちます。
私たちが支援先で、この4つをどう設計して運用に乗せているかはサービス概要にまとめています。
よくある質問
Q. 受付突破率の平均はどれくらいですか
一般には20%程度、経験が浅い場合は5〜10%程度と説明されることが多い指標です。ただし分母の定義が明示されていないことが多く、自社の数字と直接比較できるとは限りません。
私たちの支援先の実測では、社数ベースで26〜41%、架電回数ベースで5.9〜11.0%と、数え方によって大きく異なりました。
Q. 受付突破率とアポ率のどちらを先に見るべきですか
受付突破率が先です。担当者に会話が届いていない段階では、トークスクリプトや訴求内容を変えても効果を測れません。ただし受付突破率が高いリストが必ずアポにつながるわけではないため、両方を並べて見る必要があります。
Q. 受付突破率が低いとき、最初に何を疑うべきですか
リスト種別です。実測では、新規のコールドリストと接点のあるリストで、受付で止まる割合が57%と7%——8倍の差がありました。話し方の改善で埋められる幅より大きいため、まずリストの構成を確認するほうが早く原因に近づけます。
Q. 架電回数ベースの数字が低く出るのは問題ですか
問題とは限りません。分母に再架電が含まれるため、丁寧に追客している現場ほど数字は下がります。他社の平均値と比べるのではなく、同じ分母で自社の推移を追ってください。
Q. 担当者ごとの差はどこまで許容すべきですか
実測では同じプロジェクト・同じ期間で約1.3倍の差が出ました。差があること自体は普通です。重要なのは、その差の理由がスキルなのか、担当リストの違いなのか、記録方法の違いなのかを切り分けることです。
記事のまとめ
受付突破率の「平均20%」は分母の定義が示されないことが多く、そのままでは自社の物差しにならない
実測では、社数ベースで26〜41%、架電回数ベースで5.9〜11.0%と一桁違う数字になる
受付で止まる割合はリスト種別で8倍(57%対7%)、担当者間で約1.3倍、月別で約1.9倍振れる
平均値を追うより、分母を固定して自社のリスト種別・担当者・月別の幅を見るほうが改善につながる
受付突破率は他社の平均と比べるものではなく、分母を固定して自社の幅を見るための数字です。次にやることは、いま社内で使っている数字の分母がどちらなのかを確認し、リスト種別・担当者・月ごとに開いてみることになります。
そこから先で手が止まりやすいのは、出てきた幅が何によるものかを切り分けるところです。記録の粒度が担当者ごとにばらばらだと、スキルの差なのか、リストの差なのか、記録の付け方の差なのかを判別できません。自社だけで進めると、集計の前に記録のルールを作り直す話に戻ってしまいます。
自社の架電記録がこの切り分けに耐える状態か、耐えないなら何から直すかを見てほしい場合は、ページ下部の「お問い合わせ」からご相談ください。手元の数字を一緒に読むところからお手伝いします。
執筆: 株式会社Woltz インサイドセールス支援チーム
株式会社Woltzは、BtoB企業のインサイドセールスを設計から実行まで支援しています。これまでに100社以上の新規開拓を支援し、継続率は99%です。
本記事の数値は、支援先の架電記録および稼働記録を集計した実測値です(社名・業界・商材は伏せています)。支援の進め方はサービス概要とサービス紹介資料をご覧ください。

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