コラム

テレアポの再コールは何回まで意味があるか——67,263社の架電記録で見た「5回目の価値」

2026年9月4日

テレアポの再コールは何回まで意味があるか——67,263社の架電記録で見た「5回目の価値」

「4回かけて出なかった先に、5回目をかける意味はあるのか」

再コールの設計で最後まで残るのがこの問いです。リストが3周目・4周目に入ってくると、現場からは決まってこの声が上がります。

「4回出なかった先は5回目も出ない」

手応えとしては、まったくそのとおりに感じられます。一方でテレアポの解説記事はたいてい「間隔を空けて3回はかけましょう」と書きます。なぜ3回なのかの根拠は、あまり見かけません。

私たちは支援先3プロジェクトの架電記録を、1社あたりの架電回数で開き直しました。67,263社・15か月分です。出てきた答えは、現場の実感とも「3回はかけよう」とも少し違いました。


この記事でわかること:

  • 5回目の架電で担当者につながる率は、1回目と比べてどれだけ落ちるか

  • それでも再コールを打ち切ったほうがいい、率とは別の理由

  • 後半まで残る先が「断られた先」ではない、という実測

  • 自社の打ち切り回数を決める4つの手順


結論:5回目はつながる。ただし「量」は取れない

先に結論を書きます。

1社あたりの接触率は、回数を重ねてもほとんど落ちませんでした。1回目16.4%に対して5回目は13.5%です。「4回出なかった先は5回目も出ない」は、実測では成り立ちませんでした。

それでも再コールをどこかで打ち切る必要はあります。理由は率ではなく、母数です。

5回目をかけられる先は、リスト全体の6.1%しか残っていません。1件あたりの成功率が高いままでも、リスト全体の成果にはほとんど寄与しないということです。

だから再コールの回数を決めるときの問いは、「何回目からつながらなくなるか」ではありません。その回数まで残っている先が、手間をかける価値のある量かどうかです。

順に実測で示します。

実測1:接触率は1回目16.4%、5回目13.5%

支援先3プロジェクトの架電記録を使います。クライアントも商材も別々で、期間は2025年6月から2026年9月までの15か月、架電記録のある企業は67,263社です。社名・業界・商材は伏せています。

集計の単位は「1社あたり、何回目の架電か」です。リスト全体が何周目かではありません。この2つは混同されやすいのですが、打ち切りの判断に効くのは前者です。

テレアポの再コール回数別の担当者接触率。1回目16.4%、2回目15.7%、3回目13.6%、5回目13.5%とほとんど落ちないことを示した横棒グラフ
  • 1回目(67,263社):担当者接触 16.4%

  • 2回目(39,460社):15.7%

  • 3回目(20,096社):13.6%

  • 4回目(8,256社):14.5%

  • 5回目(4,081社):13.5%

  • 6回目(1,874社):14.1%

担当者接触は「アポ・見込み・担当者からのお断り」の合計です。受付で止まった分や不在は含みません。決裁に近い人と実際に会話が成立した割合です。

6回目でも1回目の86%を保っています。プロジェクト単位で見ても同じ形でした。1回目から6回目への変化は、それぞれ15.7%→13.1%、13.7%→14.0%、22.1%→24.4%です。

「もう出ない」と感じるのはなぜか

この結果は現場の実感と食い違います。食い違う理由は、実感が「かけた回数」で積み上がるからです。

5回目の架電を100件やれば、13〜14件は担当者と話せます。ところが5回目にかけられる先は全体の6%しかないので、1日の稼働のうち5回目に回せる時間はごくわずかです。成功体験の絶対数が少ないまま架電数だけが積み上がるので、「かけても出ない」という感覚になります。

率は落ちていないのに、手応えは落ちる。ここが再コールの判断を誤らせる場所です。

数字の作り方

念のため、どう数えたかを書いておきます。架電リストは1社1行で、架電のたびに日付が1列ずつ記録されます。結果欄には最後の架電の結果が入ります。

そこで、k回目の架電を受けた社数を分母、そのk回目で担当者接触に至った社数を分子としました。1回目でつながった先は2回目の分母から抜けます。つまりこの数字は「4回つながらなかった先に5回目をかけたら、どうなったか」をそのまま表しています。

結果欄が本当に最後の架電の結果を指しているかは、メモ欄の記録と突き合わせて確認しました。1,847社で照合し、96.0%が一致しています。

実測2:接触の89.9%は3回目までに起きている

回数別の接触率が横ばいでも、成果の出方は横ばいではありません。

テレアポの再コールで担当者接触が発生した回数の構成。1回目49.7%、2回目27.9%、3回目12.3%で3回目までに89.9%が起き、4回目以降は10.1%。5回目まで残る先は全体の6.1%であることを示した横棒グラフ

期間内に発生した担当者接触は22,238件でした。その内訳です。

  • 1回目:49.7%

  • 2回目:27.9%

  • 3回目:12.3%

  • 4回目:5.4%

  • 5回目:2.5%

  • 6回目:1.2%

  • 7回目以降:1.0%

3回目までで89.9%です。4回目以降を全部足しても10.1%にしかなりません。

累計で見るともっとはっきりします。リスト全体のうち担当者と会話できた企業の割合は、1回で16.4%、3回で29.7%、6回で32.7%です。回数を3回から6回へ倍にして、増えるのは3.0ポイントです。

「3回はかけよう」の根拠はここにある

一般に言われる「3回はかける」は、実測から見ると妥当な線でした。ただし理由は「3回目まではつながりやすいから」ではありません。3回目までで拾える分をほぼ拾い切ってしまうからです。

この違いは打ち手に効きます。前者の理解なら、4回目以降は「つながらない先」なので捨てる判断になります。後者の理解なら、4回目以降は「つながるが数が少ない先」なので、捨てるのではなく別の扱いに移す判断になります。

具体的には、残った先を全件均等にかけ直すのではなく、優先度の高い属性だけに絞る。あるいは別の商材・別のアプローチに載せ替える、という形です。

自社のリストがいま何周目で、どの回数帯に何社残っているかを整理したい段階でしたら、実際のリストを見ながらのご相談もお受けしています。

実測3:後半に残るのは「断られた先」ではない

もうひとつ、打ち切りの判断を変える実測がありました。架電がその回で止まった企業について、止まった理由の構成を見ると、回数によって中身が入れ替わります。

テレアポの再コールで架電が止まった理由の構成。1回目は受付で止まった22.2%と番号が使えない8.8%を含むのに対し、3回目は不在・応答なしが58.6%を占めることを示した横棒グラフ

1回目で決着した27,803社の内訳です。

  • 担当者接触:39.7%

  • 受付で止まった:22.2%

  • 担当者が不在:11.7%

  • 呼び出し音のみで応答なし:12.0%

  • 番号が使えない(不通・FAXなど):8.8%

3回目で決着した11,840社では、こう変わります。

  • 担当者接触:23.1%

  • 受付で止まった:14.0%

  • 担当者が不在:31.5%

  • 呼び出し音のみで応答なし:27.1%

  • 番号が使えない:1.6%

番号が使えない先は、1回目の8.8%から3回目の1.6%へ落ちます。死んでいる番号は最初の1〜2回でリストから消えるので、後半には残りません。

代わりに増えるのが「担当者が不在」と「応答なし」で、3回目では合計58.6%を占めます。これは断られた先ではありません。まだ会話が成立していないだけの先です。

接触率が落ちない理由もここにあります。「担当者が不在」は、受付が電話に出たうえで担当者が席にいなかった状態です。番号は生きていて、会社も応対している。時間帯を変えれば会える可能性は、最初から下がっていません。

だから「リストが死んだ」とは限らない

リストが3周目・4周目に入ると、こういう言い方が出てきます。

「このリストはもう死んでいる」

実測を見るかぎり、死んでいるのはリストではなく、同じ時間帯に同じ話し方でかけ続ける当て方のほうです。

残っている先の6割近くが「まだ会話が成立していない」なら、変えるべきは回数ではなく条件になります。私たちが実際に変えるのは、かける時間帯、リストの並び順、そして商材の載せ替えです。

自社の打ち切り回数を決める4つの手順

ここまでの数字は当社の支援先のものです。商材やリストの性質で数字は変わるので、そのまま持ち込まないでください。自社で測るなら、次の順でやります。

1. 「周回数」ではなく「1社あたりの回数」で数える

最初に軸を決めます。リスト全体が何周目かと、1社に何回かけたかは別物です。前者は稼働量の話で、後者だけが打ち切りの判断に使えます。

架電リストに1社あたりの架電回数が記録されていないなら、ここが最初の作業になります。日付を1列ずつ足していく形で十分です。

2. k回目の分母を「そこまで残った社数」にする

回数別の率を出すとき、分母をリスト全体にしてはいけません。k回目の分母は「k回目の架電を受けた社数」です。

1回目でアポになった先は2回目にはかけません。その先を2回目の分母に入れると、率が実態より低く出ます。この違いで「回数を重ねると落ちる」という誤った結論が出ます。

3. 率と、残っている社数を並べて見る

率だけを見ると「まだいける」、社数だけを見ると「もう終わり」に見えます。両方を並べて初めて、次の1回にかける時間の使い道が判断できます。

私たちの見方はこうです。率が1回目の7割を切ったら、話し方か時間帯を疑う。率は保っているのに残り社数が全体の1割を切ったら、そのリストは打ち切って別の使い道に回す。

話し方を疑ったときに何を変えるかは、説明をやめて情報収集型スクリプトに変えた記事に実例があります。

4. 判断は率ではなく件数が積み上がってから

回数帯を細かく切ると、1つの帯に入る社数はすぐ小さくなります。上の実測でも、7回目以降は769社を切り、プロジェクト単位では50社を割る帯が出ました。そこでは率が何十パーセントにも跳ねます。

この記事で6回目までしか出していないのはそのためです。回数帯ごとに1,000社を目安に、それを下回る帯は途中経過として扱う。私たちはこの基準で運用しています。

再コールの設計から実行までをどう回しているかは、サービス概要にまとめています。

このデータで、私たちが言わないことにしたこと

集計してみて、あえて書かないと決めたことが2つあります。

1つは「最適な再コール回数はn回です」という言い方です。接触率が横ばいである以上、率だけからは最適回数が決まりません。決まるのは「その回数まで残る社数が、投じる時間に見合うか」で、これは商材の単価と稼働の余力しだいです。数字の側から一律の正解は出せません。

もう1つは、この結果をあらゆるリストに広げることです。今回の3プロジェクトはクライアントも商材も別ですが、リストはどれも法人・事業所の代表電話が中心でした。個人宅向けや、部署直通番号が載っているリストでは、受付で止まる割合が変わるので形も変わります。

外注先を選ぶときも、この点は見ておく価値があります。「再コールは何回が最適か」に即答してくる相手には、率と母数のどちらで答えているのかを聞いてみてください。母数の話が出てこないなら、その回数はどこかの一般論です。

よくある質問

Q. テレアポの再コールは何回までかけるべきですか

一律の正解はありません。実測では6回目でも接触率は1回目の86%を保っていたので、「n回目からつながらなくなる」という切れ目は見つかりませんでした。判断材料になるのは残っている社数のほうです。私たちの支援先では、接触の89.9%が3回目までに起きており、5回目まで残る先は全体の6.1%でした。

Q. 4回つながらなかった先に5回目をかける意味はありますか

1社単位で見れば意味はあります。5回目の担当者接触率は13.5%で、1回目の16.4%から2.9ポイントしか落ちていません。ただし5回目をかけられる先は全体の6.1%しかないため、リスト全体の成果はほとんど動きません。稼働に余力があるときに回す位置づけが現実的です。

Q. リストが3周目・4周目に入ったら新しいリストに替えるべきですか

替える前に、残っている先が「断られた先」か「まだ会話が成立していない先」かを分けてください。実測では、3回目で架電が止まった企業の58.6%が担当者不在または応答なしで、断られたわけではありませんでした。

番号が使えない先は1回目の8.8%から3回目の1.6%まで落ちるので、後半に残っているリストが死んでいるとは限りません。

Q. 再コールの間隔はどれくらい空けるべきですか

今回の集計は回数を軸にしたもので、間隔は測っていません。ただし後半に残る先の6割近くが不在・応答なしであることを踏まえると、間隔そのものより「前回と違う時間帯にかけること」のほうが効きます。同じ曜日・同じ時間に3回かけるのは、実質1回分の情報しか得られません。

Q. 自社の回数別データを出すには何が必要ですか

架電リストに1社ごとの架電日が回数ぶん記録されていること、そして結果欄が最新の架電結果で更新されていることの2つです。この2つが揃っていれば、k回目の分母と分子は機械的に出せます。逆にどちらかが欠けていると、集計そのものより「比較できる形に整える」作業に時間がかかります。


記事のまとめ

  • 1社あたりの担当者接触率は、1回目16.4%に対して5回目13.5%。回数を重ねてもほとんど落ちない

  • 「4回出なかった先は5回目も出ない」は、67,263社の実測では成り立たなかった

  • それでも打ち切りが必要なのは率ではなく母数の問題。5回目まで残る先は全体の6.1%しかない

  • 担当者接触の89.9%は3回目までに起きる。3回を6回に倍にしても累計カバー率は3.0ポイントしか増えない

  • 後半に残るのは断られた先ではなく、まだ会話が成立していない先。3回目で止まった社の58.6%が不在・応答なし

  • 打ち切り回数は、回数別の率と残り社数を並べて決める。率だけでも社数だけでも判断を誤る

再コールの回数は、率ではなく残っている社数で決まる——これがこの記事の結論です。次にやることは、自社の架電リストを1社あたりの回数で切り直し、回数帯ごとに「率」と「残り社数」を並べて出すことになります。

手間がかかるのは集計そのものより手前です。1社あたりの架電日が回数ぶん残っていない、結果欄が最新に更新されていない、といった状態だと、切り直しても比較になりません。今回の集計でも、比較できる形に整えるところに一番時間がかかりました。

自社のリストがこの切り直しに耐えるか、耐えないなら何を記録に足せばいいかを見てほしい場合は、ページ下部の「お問い合わせ」からご相談ください。打ち切り回数の決め方から実行体制まで、あわせてお話しします。


執筆: 株式会社Woltz インサイドセールス支援チーム

株式会社Woltzは、BtoB企業のインサイドセールスを設計から実行まで支援しています。これまでに100社以上の新規開拓を支援し、継続率は99%です。

本記事の数値は、支援先3プロジェクトの架電記録67,263社分を集計した実測値です(社名・業界・商材は伏せています)。支援の進め方はサービス概要とサービス紹介資料をご覧ください。

関連記事:リスト種別で受付突破率がどう変わるかは受付突破率「平均20%」は本当か、企業規模での変化は企業規模で変わるのは「落ちる場所」で書いています。

アポにならなかった先に残る接点の扱いは「資料を送ってください」は断り文句かで書いています。

かけ直す曜日で担当者につながる率がどう変わるかは「テレアポは火〜木が狙い目」はまとめすぎで書いています。

CONTACT

売上の最大化に繋がる
インサイドセールスを
実現しませんか?

売上の最大化に繋がる
インサイドセールスを実現しませんか?

CONTACT

売上の最大化に繋がる
インサイドセールスを
実現しませんか?

売上の最大化に繋がる
インサイドセールスを実現しませんか?