コラム
テレアポは1日何件かければいいのか——24プロジェクトの実測で見る件数の目安と、件数だけで評価する落とし穴

テレアポを外注するとき、あるいは社内でコールスタッフの目標を決めるとき、最初に出てくるのがこの問いです。
「1日何件かけてもらえますか」
目安を書いた記事はたくさんあります。ただ、その多くは経験則か、ほかの記事からの引用です。そして件数を目標にしたとき、現場で何が起きるかまではあまり書かれていません。
私たちの現場では、架電件数が一定を下回ると機械的に警告が付く運用をしています。その警告について、コールスタッフからこんな相談を受けたことがあります。
「アポに近づくほど通話が長くなって、件数が落ちる。警告が付くと不安になる」
件数は多いほど良いのか。支援先24プロジェクト・2,777人日の稼働記録で確かめました。
この記事でわかること:
テレアポの架電件数は、1時間・1日で何件が目安になるのか
「1日100件」は何時間ぶんの件数なのか
普段より速いペースでかけた日に、アポは増えていたのか
件数の目標をどう置けば、成果の出た日を悪く評価せずに済むのか
- 結論:1時間あたり約20件。ただし件数を上げてもアポは増えない
- 実測1:1時間あたりの架電数は、およそ20件
- 数字の作り方
- 実測2:1日の件数は、稼働時間でほぼ決まる
- 実測3:ペースを上げた日でも、1時間あたりのアポは増えなかった
- 実測4:アポが取れた日は、ペースが落ちる
- 件数の目標をどう置くか
- 1. 目標は「1時間あたり」で置き、稼働時間と掛け算で1日の件数にする
- 2. 件数は「下限」の確認にだけ使う
- 3. ペースが落ちた日は、会話とアポの記録と並べて見る
- 4. 件数が落ちた理由がリストや手順なら、そちらを直す
- 外注するときに確認すること
- このデータで、私たちが言わないことにしたこと
- よくある質問
- Q. テレアポは1日何件かけるのが目安ですか
- Q. テレアポは1時間に何件かけられますか
- Q. 1日100件は多いですか、少ないですか
- Q. 架電件数を増やせばアポは増えますか
- Q. 架電件数が少ない日は、評価を下げるべきですか
- 記事のまとめ
結論:1時間あたり約20件。ただし件数を上げてもアポは増えない
先に結論を書きます。
支援先24プロジェクト・コールスタッフ101人・2,777人日の稼働記録では、1時間あたりの架電数は19.9件でした。1日の件数は中央値106件で、これは稼働時間(中央値5.5時間)でほぼ決まっていました。「1日100件」は、約5時間×20件にあたります。
もうひとつ分かったことがあります。同じコールスタッフが普段より1割以上速いペースでかけた日、1時間あたりの担当者接触は13%増えました。ところが1時間あたりのアポは増えていません(普段並みの日と比べて−6%)。
逆に、普段よりペースが落ちた日のほうが、1時間あたりのアポは約2倍でした。アポにつながる会話は時間がかかるので、成果が出た日ほど件数は落ちます。
件数だけで評価すると、成果の出た日ほど悪く見えてしまいます。目安の数字と、その使い方を順に書きます。
実測1:1時間あたりの架電数は、およそ20件
使ったのは、支援先24プロジェクトの稼働シートです。コールスタッフが日ごとに架電時間・架電数・担当者との会話・アポを記録しているもので、期間は2025年5月から2026年9月までです。

全体:1時間あたり19.9件(295,351架電 / 14,821時間)
人日の真ん中の半分:16.8〜22.0件
プロジェクトが違っても、この値はあまり変わりませんでした。稼働が20日以上あった17プロジェクトのうち16は、1時間あたり14〜23件に収まっています。
残りの1つは39件と大きく外れていました。同じ「1時間」でも、1本の電話で何を話し、何を確認するかで件数は変わります。商材と確認項目が違えば、目安も変わります。
数字の作り方
件数の目安を扱う記事なので、こちらの数え方も書いておきます。
架電時間は、稼働シートにコールスタッフが記録した時間です。0.5時間未満・10時間超の日と、1時間80件を超える日は入力の誤りとして除きました。担当者接触は、担当者と話して断られた件数とアポの合計です。
実測2:1日の件数は、稼働時間でほぼ決まる
1日の件数も同じデータで見ました。
1日の架電数:中央値106件(真ん中の半分は72〜143件)
1日の稼働時間:中央値5.5時間(真ん中の半分は4.0〜7.5時間)
1日の件数の幅は、1時間あたりの幅よりずっと大きくなります。1時間の件数はどの人もおおむね20件前後なので、1日の件数の違いはほとんどが「何時間稼働したか」の違いです。
つまり「1日100件」は、1時間20件のペースで約5時間かけた量です。8時間稼働なら160件、4時間なら80件になります。「1日何件」を聞くときは、何時間の稼働での件数かを一緒に聞く必要があります。
外注先のレポートで件数を比べるときも同じです。今月は件数が多い、少ないという話の前に、稼働時間が同じ条件かを確認してください。
件数の分母の確認については、営業代行のレポートで最初に確認する分母の記事に詳しく書いています。
実測3:ペースを上げた日でも、1時間あたりのアポは増えなかった
ここからが、この記事でいちばん伝えたいことです。
件数を上げれば成果も増える、と考えるのは自然です。それを確かめるために、同じコールスタッフの中で「普段より速くかけた日」と「普段並みの日」を比べました。人によって話し方も担当プロジェクトも違うので、人と人を比べると別の要因が混ざります。同じ人の中で比べれば、その差は消えます。
「普段のペース」は、その人の全稼働日の1時間あたり架電数の中央値です。稼働10日以上の64人・17プロジェクト・2,596人日が対象です。

普段より1割以上速くかけた日は、こうなっていました。
1時間あたりの担当者接触:+13%
1時間あたりのアポ:−6%(横ばい)
1本あたりの接触率:14.7%→13.8%
件数を増やすと、担当者と話せる回数は増えます。ところが、それはアポに結びついていません。速くかけた分だけ、1本あたりの会話が浅くなっていると読むのが自然です。
実測4:アポが取れた日は、ペースが落ちる
反対側も見ました。普段より1割以上ペースが落ちた日です。
1時間あたりのアポ:速くかけた日の2.0倍(普段並みの日の1.9倍)
1本あたりの接触率:17.9%(速くかけた日は13.8%)
この形は、ほぼどこでも同じでした。稼働40日以上の11プロジェクトのうち10で、また比べられる55人のうち41人で、遅い日のほうが1時間あたりのアポが多くなっています。
ただし、ここは因果の向きに注意が要ります。「件数を落とせばアポが増える」わけではありません。アポにつながる会話は長くなり、日程の調整にも時間を使うので、アポが取れた日はペースが落ちる。そう読むのが自然です。
冒頭の相談は、まさにこれでした。アポに近づくほど通話が長くなり、件数が落ちて警告が付く。件数だけを見ていると、いちばん成果の出た日がいちばん悪い日に見えます。
私たちはその相談に、件数の警告は気にしなくてよいと答えました。件数だけでなく、通話の長さとアポの数を一緒に見て判断しているからです。ただし、件数の目安そのものは下げていません。その理由は次の節に書きます。

件数の目標をどう置くか
件数を追うのをやめればいい、という話ではありません。件数は、稼働しているかどうかをいちばん早く確認できる数字です。問題は、件数を単独で評価に使うことです。
私たちが件数の目標を置くときの順番は、次の4つです。

1. 目標は「1時間あたり」で置き、稼働時間と掛け算で1日の件数にする
「1日100件」のような1日単位の目標は、稼働時間が違う人やシフトを同じ物差しで測れません。1時間あたりの件数で置けば、4時間の日も8時間の日も同じ基準で見られます。
目安は、実測1のとおり1時間20件前後です。ただしこれは私たちの支援先の値なので、自社の最初の1〜2週間の記録から、そのプロジェクトの値を出し直してください。
2. 件数は「下限」の確認にだけ使う
件数が大きく下回っている日は、稼働が止まっていないか、リストが尽きていないかを確認するきっかけになります。私たちが警告を付けているのもそのためです。
一方で、件数が目安を超えたことは評価しません。実測3のとおり、速くかけた日にアポは増えていないからです。
3. ペースが落ちた日は、会話とアポの記録と並べて見る
件数が落ちた日は、まず同じ日の担当者接触とアポを見ます。会話やアポが増えているなら、それは成果の出た日です。
どちらも増えていないのに件数が落ちているときだけ、理由を本人に聞きます。この順番にしておくと、成果の出た日に不安にさせずに済みます。
4. 件数が落ちた理由がリストや手順なら、そちらを直す
件数は、コールスタッフの頑張りだけでは決まりません。リストに確認する項目が増えれば、1本あたりの時間は伸びます。前回の架電結果を読み、企業の規模を調べてからかける運用にすると、それだけで件数は落ちます。
このときに直すのは、確認の手順かリストの側です。件数の目標を据え置いたまま本人に「もっとかけて」と伝えると、確認を飛ばす方向に働きます。
社内のコールスタッフや外注先の件数を、どの数字と並べて見ればいいか決めかねている段階でしたら、今の稼働記録を見ながらのご相談もお受けしています。
外注するときに確認すること
テレアポを外注する場合も、件数の約束だけで判断しないことをおすすめします。
「1日何件かけてもらえますか」と聞くなら、あわせて次の3つを確認してください。
何時間の稼働での件数か
1本の電話で何を確認するか(確認項目が多ければ件数は下がる)
件数のほかに、担当者との会話とアポを日ごとに報告してもらえるか
件数だけが並んだ報告では、速くかけた日と成果の出た日の区別がつきません。会話とアポが日ごとに並んでいれば、件数が落ちた日の意味が読めます。
架電の記録の取り方から、レポートに出す数字の揃え方までを含めた進め方はサービス概要にまとめています。
このデータで、私たちが言わないことにしたこと
集計してみて、あえて書かないと決めたことが2つあります。
1つは、「1時間20件が適正だ」という言い方です。これは私たちの支援先24プロジェクトの実測で、商材と確認項目が変われば値は動きます。39件のプロジェクトがあったとおりです。自社の値を出すための出発点として使ってください。
もう1つは、「ゆっくりかけたほうがアポが取れる」という言い方です。実測4の差は、アポが取れた日にペースが落ちた結果だと考えています。わざと件数を落としても、アポが増える根拠にはなりません。
よくある質問
Q. テレアポは1日何件かけるのが目安ですか
当社の支援先24プロジェクト・2,777人日の実測では、1日の架電数は中央値106件でした。ただし1日の件数は稼働時間でほぼ決まるので、1時間あたりで見るほうが正確です。1時間あたりは19.9件で、5時間稼働なら約100件になります。
Q. テレアポは1時間に何件かけられますか
当社の実測では1時間あたり19.9件、人日の真ん中の半分は16.8〜22.0件でした。17プロジェクトのうち16が14〜23件に収まっています。ただし39件のプロジェクトもあり、商材と確認項目で値は動きます。
Q. 1日100件は多いですか、少ないですか
1時間20件のペースで約5時間かけた量なので、多くも少なくもありません。8時間稼働で100件なら1時間あたり約12件で、ペースは遅めです。何時間の稼働での100件かを確認してください。
Q. 架電件数を増やせばアポは増えますか
当社の実測では増えませんでした。同じコールスタッフが普段より1割以上速くかけた日、1時間あたりの担当者接触は13%増えましたが、1時間あたりのアポは横ばい(−6%)でした。件数を上げた分だけ会話が浅くなっていると考えられます。
Q. 架電件数が少ない日は、評価を下げるべきですか
件数だけでは判断しないことをおすすめします。当社の実測では、ペースが落ちた日のほうが1時間あたりのアポは約2倍でした。アポにつながる会話は時間がかかるためです。件数が落ちた日は、同じ日の会話とアポを並べて見てください。
記事のまとめ
1時間あたりの架電数は19.9件(支援先24プロジェクト・101人・2,777人日)。17プロジェクト中16が14〜23件に収まった
1日の件数は中央値106件で、稼働時間でほぼ決まる。「1日100件」は約5時間×20件
同じ人が普段より速くかけた日、担当者接触は13%増えたが、1時間あたりのアポは横ばいだった
ペースが落ちた日のほうが、1時間あたりのアポは約2倍。アポが取れた日は件数が落ちる
件数は下限の確認に使い、会話とアポと並べて見る。件数だけで評価すると、成果の出た日ほど悪く見える
件数は稼働の確認には使えるが、成果の物差しにはならない——これがこの記事の結論です。次にやることは、手元の件数の記録に、稼働時間と担当者との会話・アポを日ごとに並べることになります。
手間がかかるのはその先です。日ごとの記録が揃っていないと「普段のペース」が出せず、件数が落ちた日がどちらの意味なのかを分けられません。記録の項目を決め、入力の形から揃えるところで止まることが多くあります。
自社の件数の目安を出したい、件数の見方を変えるなら何から揃えるかを相談したい場合は、ページ下部の「お問い合わせ」からご連絡ください。記録の取り方から、目標の置き方とレポートの形まであわせてお話しします。
執筆: 株式会社Woltz インサイドセールス支援チーム
株式会社Woltzは、BtoB企業のインサイドセールスを設計から実行まで支援しています。これまでに100社以上の新規開拓を支援し、継続率は99%です。
本記事の数値は、支援先24プロジェクトの稼働記録(2025年5月〜2026年9月・2,777人日)を集計した実測値です。社名・業界・商材は伏せています。支援の進め方はサービス概要とサービス紹介資料をご覧ください。
関連記事:レポートの件数が何を分母にした数字なのかは「今月3,000コール」は何社にかけた数字なのかで書いています。
同じ先に何回までかけ直すかはテレアポの再コールは何回まで意味があるかにあります。
外注して最初の1か月の数字をどう読むかは営業代行は初月の数字で判断できるのかで書いています。
100件かけてアポが何件出るか、テスト架電をどこで区切って判断するかはテレアポのアポ率の目安と、100件で判断できない理由で実測しています。
件数が足りずにリストの補充待ちで架電が止まらないよう、渡す前に確認しておくことはテレアポ代行のリストは自社で用意すべきかにあります。

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