コラム
「リストは自社で用意します」と言ったあとに起きること——テレアポ代行が支給リストで止まる3つの原因と、渡す前の確認

テレアポを外注するとき、よく出てくる選択肢があります。
「リストはこちらで用意します。架電だけお願いできますか」
手元に既存の顧客データや展示会の名刺、問い合わせの履歴があれば、それを渡したほうが早く始められます。リストを外注先に作ってもらう手間も省けます。解説記事でも、自社で用意すると始めやすいと書かれていることが多い選択です。
一方で、「自社で用意するなら、リストの精度は自社で担保すること」とも書かれています。では、自分たちで用意したリストは、外注先が作るリストより架電の結果が悪くなるのでしょうか。私たちは支援先22プロジェクトの架電リストで、この点を確かめました。
この記事でわかること:
先方が用意したリストと、それ以外のリストで、架電の結果はどれだけ違うのか(実測)
それでも「リストのせいで外注が止まる」のは、どこで起きているのか
リストを外注先に渡す前に、自社で確認しておく4つのこと
- 結論:支給リストだから結果が悪い、とは言えない。止まるのは架電の手前
- 実測:先方が用意したリストでも、架電結果に大きな差は無かった
- 差は「誰が用意したか」より「プロジェクトごと」の方が大きい
- 数字の作り方
- それでも外注が止まる3つの原因
- 1. 営業の対象にならない相手が混ざっている
- 2. 電話番号が、話したい相手につながらない
- 3. 件数が足りず、補充を待つあいだ架電が止まる
- リストを渡す前に、自社で確認しておく4つのこと
- このデータで、私たちが言わないことにしたこと
- よくある質問
- Q. テレアポ代行に渡すリストは、自社で用意したほうがいいですか
- Q. 自社で用意したリストだと、アポは取りにくくなりますか
- Q. リストは何件くらい用意すればいいですか
- Q. リストに既存の顧客が混ざっていたら、どうなりますか
- 記事のまとめ
結論:支給リストだから結果が悪い、とは言えない。止まるのは架電の手前
先に結論を書きます。
支援先22プロジェクトの架電リストで、先方が用意したリストと、それ以外のリストの架電結果を比べました。番号が通じなかった割合も、受付で断られた割合も、担当者と話せた割合も、大きな差はありませんでした。差はむしろ、プロジェクトごとの方がずっと大きく出ています。
それでも現場では、先方が用意したリストが原因で外注が止まることがあります。止まる場所は、架電した後の結果ではなく、その手前です。私たちが見てきた原因は3つでした。
営業の対象にならない相手が混ざっている
載っている電話番号が、話したい相手につながらない
件数が足りず、リストの補充を待つあいだ架電が止まる
どれも、かける前に確認すれば防げるものです。リストを自社で用意すること自体は問題ありません。渡す前の確認で差が出る、というのが私たちの結論です。
実測:先方が用意したリストでも、架電結果に大きな差は無かった
使ったのは、支援先22プロジェクトの架電リストです。架電した会社ごとに、最後の架電の結果が記録されています。
このうち、先方が用意したリストを使っていた4プロジェクト(約3.6万社)と、それ以外の18プロジェクト(約13.3万社)に分けました。プロジェクトごとに結果の割合を出し、それぞれのグループの中央値を比べています。

架電した会社のうち、それぞれの結果になった割合です(先方が用意したリスト / それ以外のリスト)。
番号が不通・FAXだった:3.3% / 4.7%
受付で断られた:24.2% / 30.5%
担当者と話せた:23.6% / 19.7%
不在・電話に出なかった:41.3% / 38.5%
先方が用意したリストのほうが、むしろわずかに良く見えるくらいです。少なくとも架電の結果を見るかぎり、「自社で用意したリストは質が悪い」とは言えませんでした。
差は「誰が用意したか」より「プロジェクトごと」の方が大きい
同じ数字を、プロジェクトごとに並べると見え方が変わります。

受付で断られた割合:11.9%〜68.5%
担当者と話せた割合:11.3%〜45.2%
番号が不通・FAXだった割合:0.6%〜10.3%
受付で断られる割合は、少ないプロジェクトと多いプロジェクトで5倍以上の開きがあります。商材や、どの部署の誰に電話をかけるかで、つながりやすさは大きく変わります。リストを誰が用意したかの違いは、この幅の中に埋もれてしまう程度でした。
受付で止まる割合そのものの見方は、テレアポの受付突破のコツと受付突破率の測り方の記事で詳しく書いています。
数字の作り方
比べ方によって結論が変わる話なので、数え方を書いておきます。
対象は、架電を1回以上した会社です。結果は最後の架電の結果で数え、まだ結果が入っていない会社は除きました。「先方が用意したリスト」は、打ち合わせの記録から先方提供のリストを使っていたことが確かめられた4プロジェクトです。
残りの18プロジェクトには、当社で作ったリストのほかに、先方が用意したリストが含まれている可能性があります。そのため、この比較は「当社が作ったリストとの比較」ではなく、「先方が用意したリストと、それ以外」の比較として読んでください。
それでも外注が止まる3つの原因
架電の結果に差が無いのに、なぜ「リストのせいで止まる」ことが起きるのか。原因は、かけた後ではなく、かける前の段階にありました。

1. 営業の対象にならない相手が混ざっている
いちばん多いのがこれです。リストの中に、そもそも商材を使えない相手が混ざっています。
サービスの前提に合わない事業形態の会社や施設
すでに契約している顧客や、取引のある会社
以前に「今後の連絡は不要」と言われた会社
外注先は、架電する前にリストを見て対象外を外します。外した会社は架電の結果に残りません。先ほどの比較で差が出なかったのは、このためでもあります。対象外が混ざっていると、架電の結果ではなく、かけられる件数が減るという形で表に出てきます。
既存の顧客が混ざっているのは、特に注意が必要です。担当者から見れば、契約中の会社に新規の営業電話がかかってくることになります。
2. 電話番号が、話したい相手につながらない
番号そのものは通じても、話したい部署につながらないことがあります。
求人票などから集めた番号で、人事の直通にかかり、営業したい部署に回してもらえない
支店の番号で、決める権限のある本社につながらない
そもそも電話番号の欄が空いている
こうした番号は、架電の結果では「受付で断られた」や「担当者が不在」に紛れます。番号が使えないのか、断られているのかが区別しにくいので、気づくのが遅れます。
3. 件数が足りず、補充を待つあいだ架電が止まる
3つ目は、リストの量です。外注先は、契約した時間の中で架電を続けられるだけの件数を必要とします。リストが途中で尽きると、次のリストが届くまで架電が止まります。
地域や業種を足して補充するたびに、どこまで広げるかを相談し、リストを作り直す往復が発生します。この往復のあいだは誰も電話をかけていません。月の途中で何度も止まると、契約した時間を使い切れないまま月末を迎えることになります。
1社に何回かけるか、1時間に何件かけられるかで、必要な件数は変わります。延べの架電数と社数の関係は「今月3,000コール」は何社にかけた数字なのかの記事に、1時間あたりの件数はテレアポは1日何件かければいいのかにまとめています。
手元のリストがこの3つのどれに当たりそうか、渡す前に一度見ておきたい場合は、リストを見ながらのご相談もお受けしています。
リストを渡す前に、自社で確認しておく4つのこと
3つの原因は、どれも渡す前の確認で防げます。私たちが、先方からリストを受け取るときに最初に確かめていることを並べます。

営業の対象にする条件を書き出す:業種や規模だけでなく、「この形態の会社には売れない」という除外の条件まで書く
既存の顧客と、連絡不要の会社を外す:契約や請求を管理している部署のリストと突き合わせる。過去にテレアポやメールを断られた会社の記録があれば、あわせて渡す
電話番号の出どころを確かめる:代表番号か、部署の直通か、支店か。どこにつながる番号かをリストに書いておく
件数を見積もる:契約した時間で何件かけられるかを外注先に聞き、リストがその何か月分あるかを確かめる
特に1つ目は、書き出してみると社内で認識が揃っていないことがよくあります。営業の部署が「対象外」と考えている相手が、リストを作った部署には伝わっていない、ということが起きるからです。
どこまでを自社で確認し、どこからを外注先に任せるかも、この時点で決めておくと揉めません。対象外の判断を外注先に任せるなら、その条件を文章で渡す必要があります。
外注先がリストを作る場合も含めた進め方は、サービス概要にまとめています。
このデータで、私たちが言わないことにしたこと
集計してみて、あえて書かないと決めたことが2つあります。
1つは、「先方が用意したリストのほうが結果が良い」という言い方です。数字の上ではわずかに良く見えますが、比べたのは4プロジェクトと18プロジェクトで、プロジェクトごとの差のほうがずっと大きく出ています。この差を「支給リストの強み」と読むのは無理があります。
もう1つは、「対象外が混ざる割合」です。対象外の会社は架電の前に外すため、架電の結果には残りません。どのくらい混ざっていたかは、今回のデータでは数えられませんでした。止まる原因として書いた3つは、数字ではなく、私たちが現場で繰り返し見てきた事例から書いています。
よくある質問
Q. テレアポ代行に渡すリストは、自社で用意したほうがいいですか
手元に既存の顧客データや展示会・問い合わせのリストがあるなら、自社で用意して問題ありません。当社の支援先22プロジェクトでは、先方が用意したリストでも、架電の結果に大きな差はありませんでした。ただし、営業の対象外の会社や既存の顧客を外し、電話番号の出どころを確かめてから渡してください。
Q. 自社で用意したリストだと、アポは取りにくくなりますか
架電の結果を見るかぎり、取りにくくなるとは言えません。番号が通じなかった割合、受付で断られた割合、担当者と話せた割合のいずれも、先方が用意したリストとそれ以外で大きな差はありませんでした。結果を左右するのは、リストを誰が作ったかより、商材と電話をかける相手です。
Q. リストは何件くらい用意すればいいですか
契約した時間で何件かけられるかによって変わります。1社に何回かかけ直すのが普通なので、延べの架電数は社数より多くなります。外注先に1か月で何件かけられるかを聞き、リストがその何か月分あるかを確かめておくと、途中で補充待ちになるのを防げます。
Q. リストに既存の顧客が混ざっていたら、どうなりますか
契約中の会社に、新規の営業電話がかかることになります。外注先は対象外の会社を外しますが、どの会社が既存の顧客かは、外から見ても分かりません。渡す前に、契約や請求を管理している部署のリストと突き合わせて外しておいてください。
記事のまとめ
先方が用意したリストとそれ以外で、架電の結果に大きな差は無かった(支援先22プロジェクト・プロジェクト別の中央値)
番号が不通・FAXは3.3% / 4.7%、受付で断られたのは24.2% / 30.5%、担当者と話せたのは23.6% / 19.7%
差は、リストを誰が用意したかより、プロジェクトごとの方がずっと大きい(受付で断られた割合は11.9%〜68.5%)
それでも外注が止まるのは架電の手前で、原因は対象外の混入・つながらない番号・件数不足の3つ
渡す前に、対象の条件・既存顧客と連絡不要の会社・番号の出どころ・件数の4つを確認する
リストを自社で用意すること自体は問題ない——これがこの記事の結論です。次にやることは、渡そうとしているリストについて、対象外の条件と既存の顧客を書き出してみることです。
手間がかかるのはその先です。対象外の条件は営業・契約管理・リストを作った部署でばらばらに持っていることが多く、突き合わせには部署をまたいだ確認が要ります。件数の見積もりも、外注先の架電のペースが分からないと出せません。
渡す前のリストの確認や、必要な件数の見積もりを相談したい場合は、ページ下部の「お問い合わせ」からご連絡ください。リストをお預かりする前に、一緒に確認する項目をお話しします。
執筆: 株式会社Woltz インサイドセールス支援チーム
株式会社Woltzは、BtoB企業のインサイドセールスを設計から実行まで支援しています。これまでに100社以上の新規開拓を支援し、継続率は99%です。
本記事の数値は、支援先22プロジェクトの架電リスト(2026年10月時点・約16.9万社)を集計した実測値です。社名・業界・商材は伏せています。支援の進め方はサービス概要とサービス紹介資料をご覧ください。
関連記事:延べの架電数と社数の関係は「今月3,000コール」は何社にかけた数字なのかで書いています。
受付で止まる割合の見方はテレアポの受付突破のコツと受付突破率の測り方にあります。
業界ごとの進め方は、介護・福祉業界向け・SaaS・IT企業向け・人材サービス向けの営業代行のページにまとめています。
リストの種類・会社の規模・番号の種類で結果がどう変わるかは、テレアポのリストの作り方にまとめています。

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