コラム
営業代行は初月の数字で判断できるのか——9プロジェクトの立ち上がり1〜3か月目の実測

営業代行やテレアポ代行を始めて1か月。最初のレポートを見て、こう感じる方は少なくありません。
「思ったよりアポが少ない。このまま続けて大丈夫だろうか」
成果が出るまでの期間を書いた記事は、たいてい「初月は準備期間、判断は3か月後」と書いています。私たちもそう考えてきました。ただ、その根拠が経験則のままだったので、実際のデータで確かめることにしました。
支援先のうち、立ち上がりから3か月目まで稼働記録がそろっている9プロジェクトを、月ごとに比べています。
この記事でわかること:
立ち上がり2〜3か月目の成果は、初月と比べてどれくらい変わるのか
「平均◯倍に伸びる」という数字を、そのまま信じてはいけない理由
初月のレポートで、数字の代わりに何を確認すればいいのか
契約の前に決めておくと、初月の判断で迷わずに済むこと
- 結論:初月の数字では判断できない。3か月目まで見て、初月は中身を見る
- 実測1:2〜3か月目の伸びは、プロジェクトで0.65〜3.83倍
- 数字の作り方
- 実測2:9件を合算すると1.58倍。1件を除くと1.13倍
- 実測3:立ち上がったあとも、月の数字は動く
- 初月は、数字ではなく中身を見る
- 1. 稼働時間と架電数が、計画どおり出ているか
- 2. 担当者と話せているか
- 3. 断られた理由が、言葉のまま記録されているか
- 4. リストとスクリプトの修正が、回っているか
- 契約の前に決めておくこと
- このデータで、私たちが言わないことにしたこと
- よくある質問
- Q. 営業代行で成果が出るまでの期間はどれくらいですか
- Q. 初月にアポが少なければ、解約を考えるべきですか
- Q. 初月のレポートでは何を確認すればいいですか
- Q. 「平均で成果が1.5倍に伸びる」という説明は信用できますか
- Q. 立ち上がりを早めるために、発注側でできることはありますか
- 記事のまとめ
結論:初月の数字では判断できない。3か月目まで見て、初月は中身を見る
先に結論を書きます。
支援先9プロジェクトの1時間あたりのアポを、立ち上がり1か月目と2〜3か月目で比べました。2〜3か月目は1か月目の中央値1.14倍で、伸びてはいますが大きな差ではありません。
ところが、プロジェクトごとに見ると幅が大きく、0.65倍から3.83倍まで開きました。4倍近く伸びたプロジェクトもあれば、3分の2に下がったプロジェクトもあります。
3か月目が1か月目を上回ったのは、9件中7件でした。多くのプロジェクトは初月より良くなります。ただし、どれが伸びてどれが下がるかは、初月の数字からは読めません。
だから、判断は3か月目まで待つ。そのかわり初月は、アポの数ではなく「稼働が計画どおり出ているか」「担当者と話せているか」といった中身を確認する。これが私たちの結論です。
実測1:2〜3か月目の伸びは、プロジェクトで0.65〜3.83倍
使ったのは支援先9プロジェクトの稼働シートです。コールスタッフが日ごとに架電時間・架電数・アポを記録しているもので、2025年6月から2026年7月までに立ち上がったプロジェクトを対象にしました。

2〜3か月目の1時間あたりアポが、1か月目の何倍だったかです。
伸びたプロジェクト:3.83倍 / 2.24倍 / 1.99倍 / 1.28倍
横ばい・下がったプロジェクト:1.00倍 / 0.76倍 / 0.65倍 / 0.65倍
残りの1件は1か月目のアポが0件で、倍率が出せません(2か月目以降にアポが出ています)
中央値は1.14倍です。初月より少し良くなる、というのが真ん中のプロジェクトの姿でした。
一方で、倍率の幅は6倍近くあります。同じ「立ち上がり3か月」でも、プロジェクトによってまったく違う動きをしている、ということです。
数字の作り方
立ち上がりの期間を扱う記事なので、こちらの数え方も書いておきます。
開始日は、稼働シートで最初に架電が記録された日です。そこから28日ごとに1か月目・2か月目・3か月目と区切りました。各月に5日以上の稼働があるプロジェクトだけを対象にし、合計は430人日・2,347時間です。
指標は、アポ数を架電時間で割った「1時間あたりのアポ」です。稼働時間の多い月と少ない月を同じ物差しで比べるためで、アポの件数そのものは比べていません。
実測2:9件を合算すると1.58倍。1件を除くと1.13倍
もうひとつ、平均の取り方で数字がどれだけ変わるかも見ておきます。

9件の架電時間とアポを合算して比べると:1.58倍
最も伸びた1件(3.83倍)を除いて合算すると:1.13倍
プロジェクト別の倍率の中央値:1.14倍
合算の1.58倍は、1件の大きな伸びに引っ張られた数字です。その1件は稼働時間も多く、合算するとほかの8件の動きがほとんど見えなくなります。
これは発注する側にとって大事な点です。「導入企業は平均で2か月目から成果が1.5倍に」といった説明を聞いたら、それが合算なのか、プロジェクトごとの中央値なのかを確かめてください。合算の数字は、一部の大きな成功を全体の姿に見せてしまいます。
レポートに並ぶ数字の分母の確かめ方は、営業代行のレポートで最初に確認する分母の記事に詳しく書いています。
実測3:立ち上がったあとも、月の数字は動く
初月の数字で判断しにくい理由は、立ち上がりだけではありません。軌道に乗ったあとも、月ごとの数字は動きます。
私たちが集計したある支援先では、同じ商材・同じチームでも、担当者と話せた割合が月によって5.9%から11.0%まで、約1.9倍の幅で振れていました(架電11,213件)。
リストの入れ替えや、先方の繁忙期、祝日の多さでも数字は変わります。1か月だけの数字は、こうした揺れと立ち上がりの影響が重なったものです。1か月のデータで「このプロジェクトは伸びない」と結論づけるのは、材料が足りません。

初月は、数字ではなく中身を見る
では、初月のレポートでは何を見ればいいのか。私たちが立ち上がりの時期に確認していることを、順番に書きます。

1. 稼働時間と架電数が、計画どおり出ているか
最初に見るのは成果ではなく稼働量です。立ち上がりの月は、商材の説明やスクリプトの調整に時間を取られ、架電そのものが計画より少なくなりがちです。
計画した時間と件数に届いていない月は、アポの数を評価する前に、なぜ届いていないかを聞いてください。1時間あたりの件数の目安は、テレアポは1日何件かければいいのかの記事にまとめています。
2. 担当者と話せているか
アポの前段にあるのが、決裁に関わる担当者と話せたかどうかです。アポが少なくても、担当者と話せている件数が出ていれば、トークとリストは届いています。
逆に、担当者と話せている件数自体が少ないなら、原因はトークよりリストや時間帯の側にあることが多い。直す場所が変わります。
3. 断られた理由が、言葉のまま記録されているか
初月にいちばん価値があるのは、断られた理由の記録です。「検討していない」「別の部署が担当」「今は時期ではない」。これが言われた言葉のまま残っていれば、翌月に直す場所が決められます。
「NG」の一語だけで記録されている場合は、記録の仕方を変えてもらってください。
4. リストとスクリプトの修正が、回っているか
最後に、初月の結果を受けて何を変えたかを聞きます。対象外の企業をリストから外したか、断られた理由に合わせて切り返しを足したか。
修正が回っていれば、初月の数字が低くても続ける意味があります。反対に、初月と同じリスト・同じトークのまま2か月目に入っているなら、数字が伸びなくても不思議ではありません。
初月のレポートを受け取って、続けるべきか判断に迷っている段階でしたら、今のレポートを見ながらのご相談もお受けしています。
契約の前に決めておくこと
初月で迷わないためには、契約の時点で次の3つを決めておくのが早道です。
評価のタイミング:成果で判断するのは3か月目の数字にする
初月の報告項目:稼働時間・架電数・担当者と話せた件数・断り理由を毎週出してもらう
途中で変えてよいもの:リストの絞り込みやスクリプトの修正を、代行側の判断でどこまでしてよいか
特に3つ目が決まっていないと、修正のたびに確認のやり取りが発生し、2か月目に入っても同じリストとトークのままになります。伸びるはずのプロジェクトが、伸びる前に終わってしまいます。
社内の体制づくりから外注先との役割分担までを含めた進め方は、サービス概要にまとめています。
このデータで、私たちが言わないことにしたこと
集計してみて、あえて書かないと決めたことが2つあります。
1つは、「3か月続ければ必ず伸びる」という言い方です。9件中2件は、3か月目が初月を下回りました。続ければ良くなる、とは限りません。3か月は「伸びるかどうかを見極める期間」であって、成果を約束する期間ではありません。
もう1つは、「初月の成果が悪いほど後で伸びる」という言い方です。初月にアポが0件だったプロジェクトがその後伸びた例はありますが、9件でそう言い切れるほどのデータではありません。初月の数字は、良くても悪くても判断材料としては弱い。言えるのはそこまでです。
よくある質問
Q. 営業代行で成果が出るまでの期間はどれくらいですか
当社の支援先9プロジェクトでは、3か月目の成果が1か月目を上回ったのが7件でした。多くは2〜3か月目に初月より良くなりますが、伸び方はプロジェクトで0.65〜3.83倍と大きく違います。判断は3か月目の数字で行うことをおすすめします。
Q. 初月にアポが少なければ、解約を考えるべきですか
初月の数字だけでの判断はおすすめしません。当社の実測では、2〜3か月目の伸びは中央値1.14倍で、初月からは伸びるか下がるかが読めませんでした。まず稼働時間が計画どおり出ているか、担当者と話せているかを確認してください。
Q. 初月のレポートでは何を確認すればいいですか
稼働時間と架電数、担当者と話せた件数、断られた理由、リストとスクリプトの修正状況の4つです。アポの数は立ち上がりの影響と月ごとの揺れが重なるため、初月は判断材料として弱くなります。
Q. 「平均で成果が1.5倍に伸びる」という説明は信用できますか
合算した平均か、プロジェクトごとの中央値かを確認してください。当社の9プロジェクトでも、合算すると1.58倍に見えましたが、最も伸びた1件を除くと1.13倍でした。合算の平均は一部の大きな成功に引っ張られます。
Q. 立ち上がりを早めるために、発注側でできることはありますか
契約の前に、評価のタイミング・初月の報告項目・代行側で変えてよい範囲の3つを決めておくことです。特にリストやスクリプトの修正を代行側の判断でどこまで進めてよいかが決まっていると、2か月目からの立て直しが早くなります。
記事のまとめ
立ち上がり2〜3か月目の1時間あたりアポは、1か月目の中央値1.14倍だった(支援先9プロジェクト・430人日)
ただしプロジェクトごとの幅は0.65〜3.83倍。どれが伸びるかは初月の数字からは読めない
3か月目が1か月目を上回ったのは9件中7件。2件は下回った
9件を合算すると1.58倍に見えるが、1件を除くと1.13倍。合算の平均は一部の成功に引っ張られる
初月はアポの数ではなく、稼働量・担当者との会話・断り理由・修正の状況を見る。判断は3か月目の数字で行う
初月の数字では判断できない。だから初月は中身を見る——これがこの記事の結論です。次にやることは、手元の初月のレポートに、稼働時間・担当者と話せた件数・断り理由が並んでいるかを確かめることになります。
手間がかかるのはその先です。断り理由が言葉のまま残っていない、修正の権限が決まっていない、といった状態だと、記録の取り方と役割分担から作り直すことになり、3か月の見極め期間がそのまま過ぎてしまいます。
初月のレポートの読み方や、立ち上がりの進め方を相談したい場合は、ページ下部の「お問い合わせ」からご連絡ください。記録の取り方から、リストとスクリプトの修正の回し方まであわせてお話しします。
執筆: 株式会社Woltz インサイドセールス支援チーム
株式会社Woltzは、BtoB企業のインサイドセールスを設計から実行まで支援しています。これまでに100社以上の新規開拓を支援し、継続率は99%です。
本記事の数値は、支援先9プロジェクトの稼働記録(2025年6月〜2026年7月に立ち上がり、1〜3か月目の430人日)を集計した実測値です。社名・業界・商材は伏せています。支援の進め方はサービス概要とサービス紹介資料をご覧ください。
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最初のテスト架電を何件で区切って判断するかはテレアポのアポ率の目安と、100件で判断できない理由で実測しています。
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